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通信プロトコルの標準化とは?OSI基本参照モデルとTCP/IPを基礎から理解しよう

ネットワーク通信に欠かせないプロトコルと標準化について、OSI基本参照モデルとTCP/IPの階層、実際のTCP/IP通信の流れを初心者向けに解説します。

読了時間:約10分
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通信プロトコルの標準化とは?OSI基本参照モデルとTCP/IPを基礎から理解しよう

はじめに

PCやスマートフォンは、メーカーやOSが違っていてもネットワークを通して通信できます。

なぜでしょうか?

それは、

通信するときの共通ルールが決められているから

です。

この通信ルールを**プロトコル(Protocol)**と呼びます。

この記事では、

プロトコルとは
↓
なぜ標準化するのか
↓
OSI基本参照モデル
↓
TCP/IP
↓
TCP/IP通信の流れ

という順番で学んでいきます。


1. プロトコルとは

**プロトコル(Protocol)**とは、

コンピュータ同士が通信するために定められた規約や手順

です。

人間同士でも、会話をするためには共通の言語やルールが必要です。

コンピュータも同じです。

例えばネットワークでは、

HTTP
→ Web通信

TCP
→ 信頼性のあるデータ転送

IP
→ ネットワークを越えてデータを届ける

Ethernet
→ LANでデータを転送する

など、目的ごとにさまざまなプロトコルが利用されています。


2. なぜプロトコルを標準化するのか

もしメーカーごとに通信方法が違っていたら、

メーカーAのPC
↓
メーカーAの機器
○

メーカーAのPC
↓
メーカーBの機器
×

となってしまう可能性があります。

そこで、

みんなが共通して利用できる通信規格を決める

という標準化が行われます。

標準化
↓
共通の通信ルール
↓
異なるメーカー・機器でも通信できる

この仕組みがあることで、世界中のさまざまなコンピュータをネットワークで接続できます。


3. OSI基本参照モデル

ネットワーク通信には、

アプリケーション
データ転送
経路選択
LAN内の転送
物理的な信号

など、多くの役割があります。

これらを整理するために作られた代表的な考え方が、

OSI基本参照モデル(OSI Reference Model)

です。

OSI基本参照モデルでは、ネットワーク通信の機能を7つの階層に分けます。

層 名称 主な役割
第7層 アプリケーション層 アプリケーションの通信
第6層 プレゼンテーション層 データ表現
第5層 セッション層 通信セッションの管理
第4層 トランスポート層 アプリケーション間のデータ転送
第3層 ネットワーク層 ネットワーク間の通信
第2層 データリンク層 同一ネットワークなどでの転送
第1層 物理層 信号やケーブルなど

4. OSI基本参照モデルを簡単に見る

第1層:物理層

ケーブル
光信号
電気信号
電波

など、データを物理的に伝送する部分を扱います。

第2層:データリンク層

Ethernet
MACアドレス
L2スイッチ

などと関係する層です。

第3層:ネットワーク層

IP
IPアドレス
ルーティング
ルーター

などと関係します。

第4層:トランスポート層

TCP
UDP
ポート番号

などと関係します。

第5〜7層

アプリケーション同士の通信や、データ表現、セッション管理などを扱います。

例えば、

HTTP
DNS
SMTP

などのアプリケーション向けプロトコルは、OSIではアプリケーション層に位置付けて考えます。


5. なぜ階層に分けるのか

ネットワーク通信を階層に分けることで、

それぞれの技術が何を担当しているのか

を整理できます。

例えば、

Webページを見る
↓
HTTP

確実にデータを届ける
↓
TCP

別のネットワークまで届ける
↓
IP

LAN内で転送する
↓
Ethernet

と役割を分けて考えられます。

そのため、

HTTPで問題?
TCPで問題?
IPで問題?
Ethernetで問題?

というように、ネットワーク障害を考えるときにも役立ちます。


6. TCP/IPとは

現在のインターネットで広く利用されているのが、

TCP/IP

です。

TCP/IPという名前ですが、

TCPとIPだけではなく、インターネット通信で利用されるさまざまなプロトコル群

を指します。

代表的なものには、

HTTP
DNS

TCP
UDP

IP

Ethernet

などがあります。

これらを役割ごとに階層化して利用します。


7. TCP/IPの4階層

TCP/IPは、一般的に次の4階層で説明できます。

TCP/IP 主な役割 代表例
アプリケーション層 アプリケーションの通信 HTTP・DNS・SMTP
トランスポート層 アプリケーション間の通信 TCP・UDP
インターネット層 ネットワーク間の通信 IP
ネットワークインタフェース層 実際のネットワーク上での転送 Ethernetなど

OSI基本参照モデルと大まかに対応させると、

OSI                       TCP/IP

アプリケーション ┐
プレゼンテーション ├─→ アプリケーション
セッション       ┘

トランスポート   ──→ トランスポート

ネットワーク     ──→ インターネット

データリンク     ┐
物理             ┴─→ ネットワークインタフェース

となります。

OSIは7階層、TCP/IPは一般的に4階層として整理されます。


8. OSIとTCP/IPの違い

ここは重要です。

OSI基本参照モデル

ネットワーク通信の役割を7階層に整理した参照モデル

TCP/IP

現在のインターネットで広く利用されているプロトコル群

です。

つまり、

OSI
→ 通信を理解するための地図

TCP/IP
→ 実際のインターネット通信で使われる仕組み

くらいのイメージを持っておくと分かりやすいです。


9. TCP/IPではどうやって通信するのか

では実際に、

PCからWebサイトを見る

場合を考えてみましょう。

例えばブラウザからWebサーバーへデータを送るとします。

通信では、いきなり、

PC
────────────→ Webサーバー

と一つの仕組みだけでデータを送っているわけではありません。

複数の階層がそれぞれ役割を担当します。


10. ① アプリケーション層

まず、ブラウザなどのアプリケーションがWebサーバーと通信します。

Web通信では、

HTTP

などが利用されます。

ブラウザ

「このWebページが欲しい」
↓
HTTP

というイメージです。

アプリケーション層では、

アプリケーションがどのような情報をやり取りするのか

を扱います。


11. ② トランスポート層

アプリケーション層から渡されたデータは、トランスポート層へ渡されます。

ここでは、

TCP

などが利用されます。

TCPでは、

通信相手との接続

データが届いたかの確認

データの順序管理

再送制御

などを行い、信頼性のある通信を実現します。

また、

ポート番号

を使って、

どのアプリケーションへデータを渡すのか

を識別します。


12. ③ インターネット層

次にデータはインターネット層へ渡されます。

ここで重要なのが、

IP(Internet Protocol)

です。

IPでは、

IPアドレス

を利用して通信相手を識別します。

送信元IPアドレス

宛先IPアドレス

などの情報を使い、

異なるネットワークを越えて目的のコンピュータまでデータを届ける

ために利用されます。

途中ではルーターがデータを転送します。

PC
↓
ルーター
↓
ルーター
↓
Webサーバー

というように、複数のネットワークを経由することがあります。


13. ④ ネットワークインタフェース層

最後に、

Ethernet

などを利用して、実際のネットワーク上へデータを送ります。

LANでは、

MACアドレス

などを利用して、同一リンク上の次の転送先へデータを届けます。

そして最終的には、

電気信号
光信号
電波

などとしてネットワーク上を伝送されます。


14. 送信側の通信をまとめる

ここまでをまとめると、

ブラウザ
│
│ Webページが欲しい
▼
HTTP
│
│ アプリケーションの通信
▼
TCP
│
│ ポート番号・信頼性のある転送
▼
IP
│
│ IPアドレス・ネットワーク間の配送
▼
Ethernet
│
│ LAN上での転送
▼
電気信号・光信号・電波

となります。

一つの通信を、

複数のプロトコルが役割分担して実現している

ことがポイントです。


15. 受信側では逆に処理する

Webサーバー側では、受信したデータを逆方向に処理します。

電気信号など
↓
Ethernet
↓
IP
↓
TCP
↓
HTTP
↓
Webサーバー

となります。

それぞれの階層が、

自分が担当する情報を確認して、上の階層へ渡す

という流れです。


16. TCP/IP通信全体のイメージ

最終的には、

【PC】

HTTP
 ↓
TCP
 ↓
IP
 ↓
Ethernet
 ↓

================
   ネットワーク
================

 ↓
Ethernet
 ↓
IP
 ↓
TCP
 ↓
HTTP

【Webサーバー】

という流れになります。

ここで重要なのは、

HTTP
→ アプリケーション

TCP
→ アプリケーション間の転送

IP
→ ネットワーク間の配送

Ethernet
→ LANなどでの転送

という役割分担です。


17. IEEE

ネットワークの標準化では、

IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)

という組織もよく登場します。

特にネットワークでは、

IEEE 802.3
→ Ethernet

IEEE 802.11
→ 無線LAN

を覚えておけばOKです。

今後の、

データリンク層
無線LAN

の記事でも登場します。


18. まとめ

プロトコルとは、

コンピュータ同士が通信するための規約や手順

です。

異なるメーカーや機器同士でも通信できるように、通信規格の標準化が行われています。

ネットワーク通信を理解する代表的なモデルが、

OSI基本参照モデル

です。

7 アプリケーション
6 プレゼンテーション
5 セッション
4 トランスポート
3 ネットワーク
2 データリンク
1 物理

という7階層で通信機能を整理します。

一方、現在のインターネットではTCP/IPが広く利用されています。

Web通信を簡単に見ると、

HTTP
↓
TCP
↓
IP
↓
Ethernet
↓
ネットワーク

というように、複数のプロトコルが役割分担して通信します。

この記事で覚えること

  • プロトコルは通信するための規約・手順
  • 標準化によって異なる機器同士でも通信しやすくなる
  • OSI基本参照モデルは通信機能を7階層に整理する
  • TCP/IPはインターネットで広く利用されるプロトコル群
  • TCP/IPは一般的に4階層で整理される
  • HTTPはアプリケーション層
  • TCP・UDPはトランスポート層
  • IPはインターネット層
  • Ethernetはネットワークインタフェース層
  • TCPではポート番号を利用する
  • IPではIPアドレスを利用する
  • LANではMACアドレスが利用される
  • IEEE 802.3はEthernet
  • IEEE 802.11は無線LAN
  • 一つの通信を複数のプロトコルが役割分担して実現している

🍯 はちみつメモ

ネットワーク通信は一人で全部やるのではなく「HTTPさんはアプリ担当、TCPさんは配送品質担当、IPさんは住所を見て遠くまで届ける担当、Ethernetさんは近所まで運ぶ担当」という分業制。OSIとTCP/IPは、この役割分担を整理して理解すると一気につながる。