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応用情報(AP) / 基礎理論

集合と論理とは?命題・逆裏対偶・論理演算を基礎から理解しよう

集合と論理について、集合演算、命題、逆・裏・対偶、AND・OR・NOT、真理値表、ド・モルガンの法則まで初心者向けに解説します。

読了時間:約16分
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集合と論理とは?命題・逆裏対偶・論理演算を基礎から理解しよう

はじめに

ITの基礎理論では、集合や論理という考え方が登場します。

数学のように見える分野ですが、集合と論理の考え方は、プログラミングやデータベース、論理回路など、ITのさまざまな分野につながる基礎知識です。

この記事では、

  • 集合とは何か
  • 和集合・積集合・補集合
  • 命題とは何か
  • 逆・裏・対偶
  • AND・OR・NOT・XOR
  • 真理値表
  • ド・モルガンの法則

について順番に整理していきます。


1. 集合とは

**集合(Set)**とは、

条件に当てはまるものを、ひとまとまりにしたもの

です。

そして、集合に含まれる一つ一つのものを要素と呼びます。

例えば、

A = {1, 2, 3}

という集合があったとします。

この場合、

集合:A
要素:1、2、3

となります。

要素が集合に含まれていることを表す

「1は集合Aに含まれている」という関係は、

1 ∈ A

と表現します。

一方、4は集合Aに含まれていないため、

4 ∉ A

と表現できます。

空集合

要素が一つも存在しない集合を空集合と呼び、

∅

と表します。

🍯 はちみつメモ

集合は「条件に当てはまるものの集まり」。 集合に入っている一つ一つのものを「要素」と呼びます。


2. 部分集合とは

ある集合の要素が、すべて別の集合にも含まれている場合を考えてみましょう。

A = {1, 2}
B = {1, 2, 3}

集合Aの要素である1と2は、どちらも集合Bに含まれています。

このような場合、

AはBの部分集合である

といいます。

つまり部分集合とは、

ある集合の要素が、すべて別の集合にも含まれている関係

です。


3. ベン図で集合を考える

集合の関係を視覚的に表現するときによく使われるのが、**ベン図(Venn diagram)**です。

例えば、

A:ネットワークが好きな人
B:AWSが好きな人

という二つの集合を考えてみます。

すると、

  • ネットワークだけが好きな人
  • AWSだけが好きな人
  • 両方が好きな人
  • どちらにも当てはまらない人

というように分類できます。

ベン図を使うと、このような集合の重なりを視覚的に確認できます。


4. 和集合

二つの集合AとBについて、

AまたはBの少なくともどちらかに含まれる要素

を集めたものを和集合といいます。

記号では、

A ∪ B

と表します。

例えば、

A = {1, 2, 3}
B = {3, 4, 5}

なら、

A ∪ B = {1, 2, 3, 4, 5}

です。

3はAとBの両方に含まれていますが、集合では同じ要素を重複して書きません。

🍯 はちみつメモ

和集合は「AまたはB」。 AとBの少なくとも一方に含まれている要素を集めます。


5. 積集合

二つの集合AとBの両方に含まれている要素を集めたものを積集合といいます。

記号では、

A ∩ B

と表します。

例えば、

A = {1, 2, 3}
B = {3, 4, 5}

なら、

A ∩ B = {3}

となります。

つまり積集合は、

「Aにも入っている、かつBにも入っている」

という考え方です。


6. 補集合

ある集合に含まれていない要素を考えるのが補集合です。

補集合を考えるときは、まず対象としているすべての要素を含む全体集合を決めます。

例えば、

全体集合 U = {1, 2, 3, 4, 5}
A = {1, 2, 3}

だったとします。

全体集合Uのうち、Aに含まれていない、

{4, 5}

がAの補集合です。

つまり、

「Aではないもの」

と考えると分かりやすいでしょう。


7. 差集合

集合Aには含まれているものの、集合Bには含まれていない要素を集めたものを差集合といいます。

例えば、

A = {1, 2, 3}
B = {3, 4, 5}

なら、

A - B = {1, 2}

となります。

Aの要素から、Bにも含まれている要素を取り除くイメージです。


8. 論理を理解するための「命題」

ここからは論理について考えていきます。

論理を理解するとき、最初に知っておきたいのが**命題(Proposition)**です。

命題とは、

真(正しい)か偽(正しくない)かを明確に判断できる文

のことです。

例えば、

1 + 1 = 2

は正しいので**真(True)**です。

一方、

1 + 1 = 3

は正しくないので**偽(False)**です。

コンピュータでは、真と偽を次のように1と0で表すこともあります。

状態 英語 数値による表現
真 True 1
偽 False 0

9. すべての文が命題になるわけではない

文章であれば何でも命題になるわけではありません。

例えば、

今日は暑い

という文では、「暑い」の基準が明確ではありません。

そのため、そのままでは真か偽かをはっきり判断できません。

また、

明日は晴れるかな?

のような疑問文も、真か偽かを主張している文ではありません。

命題かどうかを判断するときには、

その文が真なのか偽なのか、明確に判断できるか

を考えましょう。


10. 「PならばQ」という命題

命題では、

PならばQである

という形がよく登場します。

記号では、

P → Q

と表します。

例えば、

P:整数xは4の倍数である
Q:整数xは2の倍数である

とします。

すると、

P → Q

は、

xが4の倍数ならば、xは2の倍数である

という命題になります。

これは正しいので真です。

この「PならばQ」という命題から、逆・裏・対偶という別の命題を作ることができます。


11. 命題の「逆」

元の命題が、

P → Q

だったとします。

PとQを入れ替えた、

Q → P

を逆といいます。

先ほどの、

P:xは4の倍数である
Q:xは2の倍数である

を使うと、

元の命題

4の倍数 → 2の倍数

つまり、

xが4の倍数ならば、xは2の倍数である

これは真です。

逆

2の倍数 → 4の倍数

つまり、

xが2の倍数ならば、xは4の倍数である

となります。

しかし、例えば6は2の倍数ですが4の倍数ではありません。

そのため、この逆は偽です。

ここで重要なのは、

元の命題が真だからといって、その逆も真とは限らない

ということです。


12. 命題の「裏」

元の命題、

P → Q

について、PとQをそれぞれ否定した、

NOT P → NOT Q

を裏といいます。

先ほどの例なら、

P:4の倍数
Q:2の倍数

なので、

NOT P:4の倍数ではない
NOT Q:2の倍数ではない

となります。

したがって裏は、

xが4の倍数でなければ、xは2の倍数ではない

です。

しかし、6は4の倍数ではありませんが、2の倍数です。

そのため、この裏も偽になります。


13. 命題の「対偶」

元の命題、

P → Q

について、

PとQを入れ替えて、それぞれを否定したもの

を対偶といいます。

NOT Q → NOT P

です。

先ほどの例なら、

xが2の倍数でなければ、xは4の倍数ではない

となります。

これは真です。

ここには非常に重要な関係があります。

元の命題と、その対偶の真偽は必ず一致する

という関係です。

つまり、

P → Q

と

NOT Q → NOT P

は同じ真偽になります。


14. 逆・裏・対偶を整理しよう

元の命題が、

P → Q

の場合をまとめると、次のようになります。

種類 形 操作
元の命題 P → Q そのまま
逆 Q → P PとQを入れ替える
裏 NOT P → NOT Q PとQをそれぞれ否定する
対偶 NOT Q → NOT P 入れ替えて、それぞれ否定する

そして、重要な関係が、

元の命題 ⇔ 対偶

逆 ⇔ 裏

です。

元の命題と対偶は真偽が一致し、逆と裏も真偽が一致します。

🍯 はちみつメモ

P → Qについて、

逆:入れ替える
裏:否定する
対偶:入れ替えて否定する

特に重要なのは、元の命題と対偶の真偽は必ず一致することです。


15. 命題を組み合わせる「論理演算」

ここまでは「PならばQ」という命題について見てきました。

命題は、AND・OR・NOTなどを使って組み合わせることもできます。

例えば、

A:パスワードが正しい
B:ワンタイムパスワードが正しい

という二つの命題があったとします。

これを、

A AND B

とすれば、

パスワードが正しく、かつワンタイムパスワードも正しい

という条件になります。

代表的な論理演算には、

AND:AかつB
OR :AまたはB
NOT:Aではない
XOR:AとBのどちらか一方

などがあります。


16. 集合と論理はどうつながる?

集合と論理には、似た考え方があります。

集合では、

A ∩ B
→ AとBの両方に含まれる

A ∪ B
→ AまたはBに含まれる

Aの補集合
→ Aに含まれない

と考えました。

一方、論理では、

A AND B
→ AかつB

A OR B
→ AまたはB

NOT A
→ Aではない

と考えます。

対応させると、

集合 論理 考え方
和集合 A ∪ B OR AまたはB
積集合 A ∩ B AND AかつB
補集合 NOT Aではない

となります。

つまり、

和集合 ↔ OR
積集合 ↔ AND
補集合 ↔ NOT

という関係として理解できます。


17. AND(論理積)

ANDは、

AとBの両方が真の場合だけ真になる

論理演算です。

真を1、偽を0として整理すると、

A B A AND B
0 0 0
0 1 0
1 0 0
1 1 1

となります。

つまり、

両方が1のときだけ1

です。

集合では、ANDは積集合に対応します。


18. OR(論理和)

ORは、

AとBの少なくとも一方が真なら真になる

論理演算です。

A B A OR B
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 1

つまり、

少なくとも一方が1なら1

です。

注意したいのは、

A = 1
B = 1

の場合もORは1になることです。

ORは「片方だけ」という意味ではありません。

集合では、ORは和集合に対応します。


19. NOT(否定)

NOTは、命題の真と偽を反転させる演算です。

A NOT A
0 1
1 0

つまり、

1 → 0
0 → 1

です。

例えば、

A:パスワードが正しい

なら、

NOT A

は、

パスワードが正しくない

という意味になります。

集合ではNOTは補集合に対応します。


20. XOR(排他的論理和)

**XOR(Exclusive OR:排他的論理和)**は、

AとBのどちらか一方だけが真の場合に真になる

論理演算です。

A B A XOR B
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 0

ORとの違いを整理すると、

OR
→ 少なくとも一方が真なら真

XOR
→ どちらか一方だけが真なら真

です。

したがって、

A = 1
B = 1

なら、

OR  → 1
XOR → 0

となります。

🍯 はちみつメモ

ORは「少なくとも一方」。

XORは「どちらか一方だけ」。

両方が真の場合に結果が違うのがポイントです。


21. 真理値表とは

AND・OR・NOTなどについて、命題の真偽と演算結果を整理した表を真理値表といいます。

AとBという二つの命題がある場合、

A    B

0    0
0    1
1    0
1    1

という4通りの組合せがあります。

AND・OR・XORをまとめると、

A B AND OR XOR
0 0 0 0 0
0 1 0 1 1
1 0 0 1 1
1 1 1 1 0

となります。

真理値表を使えば、

どのような条件で論理式が真になるのか

を整理して確認できます。


22. 「PならばQ」の真理値

先ほど登場した、

P → Q

についても真理値表があります。

P Q P → Q
0 0 1
0 1 1
1 0 0
1 1 1

ポイントは、

Pが真なのにQが偽の場合だけ、P → Qは偽になる

ことです。

例えば、

「4の倍数ならば2の倍数である」

という約束を考えた場合、

「4の倍数なのに2の倍数ではないもの」が見つかったときだけ、この命題が崩れます。

逆・裏・対偶の真偽を考えるときにも、この「PならばQ」の考え方が重要になります。


23. ド・モルガンの法則

集合や論理を学習するときに重要なのが、ド・モルガンの法則です。

論理では、

NOT (A AND B)
=
(NOT A) OR (NOT B)

そして、

NOT (A OR B)
=
(NOT A) AND (NOT B)

という関係が成り立ちます。

例えば、

A:りんごを買う
B:みかんを買う

とします。

NOT (A AND B)

は、

「りんごとみかんの両方を買う」という状態ではない

という意味です。

これは、

りんごを買わない
OR
みかんを買わない

と同じなので、

NOT (A AND B)
=
(NOT A) OR (NOT B)

となります。


24. もう一つのド・モルガンの法則

続いて、

NOT (A OR B)

を考えてみましょう。

A OR Bは、

りんごを買う
または
みかんを買う

です。

これ全体を否定するので、

りんごも買わないし、みかんも買わない

となります。

したがって、

NOT (A OR B)
=
(NOT A) AND (NOT B)

です。


25. ド・モルガンの法則を覚えるコツ

式をそのまま丸暗記するより、

全体をNOTすると、ANDとORが入れ替わる

と覚えると整理しやすくなります。

NOT (A AND B)

        ↓

(NOT A) OR (NOT B)

反対も、

NOT (A OR B)

        ↓

(NOT A) AND (NOT B)

です。

AとBにもそれぞれNOTが付くことを忘れないようにしましょう。

🍯 はちみつメモ

ド・モルガンの法則では、

全体を否定するとANDとORが入れ替わり、それぞれの命題も否定される

と考えると整理しやすくなります。


26. 集合でもド・モルガンの法則は使える

ド・モルガンの法則は論理だけでなく、集合でも成り立ちます。

なぜなら、

積集合 ↔ AND
和集合 ↔ OR
補集合 ↔ NOT

という対応関係があるからです。

そのため、

AとBの積集合の補集合

は、

Aの補集合とBの補集合の和集合

になります。

反対に、

AとBの和集合の補集合

は、

Aの補集合とBの補集合の積集合

になります。

集合と論理は別々の知識に見えますが、同じような構造を持っています。


27. 集合と論理を整理しよう

今回登場した内容を整理してみましょう。

内容 意味
集合 条件に当てはまるものの集まり
要素 集合に含まれる一つ一つのもの
和集合 AまたはBに含まれる
積集合 AとBの両方に含まれる
補集合 Aに含まれない
命題 真か偽かを判断できる文
P → Q PならばQ
逆 Q → P
裏 NOT P → NOT Q
対偶 NOT Q → NOT P
AND AとBの両方が真なら真
OR AとBの少なくとも一方が真なら真
NOT 真と偽を反転する
XOR AとBのどちらか一方だけが真なら真
真理値表 真・偽の組合せと演算結果を整理する表
ド・モルガンの法則 NOTによってANDとORが入れ替わる関係

特に押さえておきたいのが、

集合                     論理

積集合 A ∩ B     ←→     A AND B

和集合 A ∪ B     ←→     A OR B

補集合            ←→     NOT A

という対応と、

P → Q
  ↓ 対偶
NOT Q → NOT P

という命題の関係です。


まとめ

今回は、集合と論理について学びました。

この記事で覚えること

  • 集合とは、条件に当てはまるものをまとめたもの
  • 和集合は「AまたはB」
  • 積集合は「AかつB」
  • 補集合は「Aではない」
  • 命題とは、真か偽かを明確に判断できる文
  • P → Qは「PならばQ」を表す
  • 逆はPとQを入れ替える
  • 裏はPとQをそれぞれ否定する
  • 対偶はPとQを入れ替えて、それぞれ否定する
  • 元の命題と対偶の真偽は必ず一致する
  • 逆と裏の真偽も一致する
  • ANDは両方が真の場合だけ真
  • ORは少なくとも一方が真なら真
  • NOTは真と偽を反転させる
  • XORはどちらか一方だけが真の場合に真
  • 真理値表を使うと論理演算の結果を整理できる
  • ド・モルガンの法則では、否定によってANDとORが入れ替わる

集合と論理には、

和集合 ↔ OR
積集合 ↔ AND
補集合 ↔ NOT

という対応があります。

また命題では、

元の命題 ⇔ 対偶
逆 ⇔ 裏

という関係を押さえておきましょう。

🍯 はちみつメモ

集合と論理は、それぞれをバラバラに暗記しないのがポイント!

∪ = OR
∩ = AND
補集合 = NOT

そして、

「PならばQ」と「NOT QならばNOT P(対偶)」の真偽は必ず一致します。