Huney

応用情報(AP) / セキュリティ

無線LANの暗号化とは?WEP・WPA・WPA2とパーソナル/エンタープライズモードをやさしく解説

応用情報技術者試験の無線LANセキュリティを初心者向けに解説。WEP、WPA、WPA2の違いから、RC4、TKIP、AES-CCMP、パーソナルモード、エンタープライズモード、IEEE 802.1X、EAP、RADIUSまで体系的に学びます。

読了時間:約23分
  • #無線LAN
  • #情報セキュリティ
  • #応用情報技術者試験
  • #WEP
  • #WPA
  • #WPA2
  • #WPA3
  • #TKIP
  • #AES
  • #CCMP
  • #IEEE 802.1X
  • #RADIUS

はじめに

私たちは普段、スマートフォンやパソコンをWi-Fiに接続してインターネットを利用しています。

自宅だけでなく、会社や学校、カフェなどでも無線LANは広く利用されています。

しかし、無線LANには有線LANとは異なる特徴があります。

それは、通信に電波を使用することです。

電波は壁の外や周囲の建物にも届くため、適切な対策をしなければ、第三者に通信内容を盗み見られる可能性があります。

そこで重要になるのが、無線LANの暗号化と認証です。

今回は、はちみつ屋さんの店舗にWi-Fiを導入する場面を例に、無線LANのセキュリティ技術を学びましょう。


1. 無線LANとは

1-1. 無線LANの基本

**無線LAN(Wireless LAN)**とは、電波を利用して機器同士を接続するネットワークです。

一般的には、IEEE 802.11シリーズの規格に基づく無線LANが利用されています。

Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceによる認証などを通じて、無線LAN機器の相互接続性を確保するためのブランドです。

無線LANの構成例

       インターネット
              │
              ▼
          ルーター
              │
              ▼
      無線アクセスポイント
              )))
         )))       )))
        ▼             ▼
    パソコン       スマートフォン

無線LANでは、主に次の機器が登場します。

用語 説明
アクセスポイント(AP) 無線端末をネットワークへ接続する機器
ステーション(STA) 無線LANに接続する端末
SSID 無線ネットワークを識別するための名前
BSSID 基本サービスセットを識別する情報。一般にAPの無線インターフェースのMACアドレスなど
IEEE 802.11 無線LANの技術規格

2. 無線LANに暗号化が必要な理由

2-1. 電波は周囲にも届く

有線LANでは、通常、LANケーブルを通じてデータを送受信します。

一方、無線LANでは電波を利用するため、通信範囲内にいる第三者が電波を受信できる可能性があります。

       はちみつ屋さん
    ┌────────────────┐
    │                │
    │ Wi-Fiルーター  │
    │      )))       │
    │                │
    └────────────────┘
            )))
              )))
                )))
                   ▼
              店舗の外
              第三者の端末

無線LANの通信が適切に暗号化されていなければ、第三者に通信内容を知られる危険があります。


2-2. 無線LANで守るべきこと

無線LANのセキュリティでは、主に次の3つが重要です。

項目 目的
暗号化 通信内容を第三者に読まれないようにする
認証 接続を許可された利用者や端末か確認する
完全性の保護 通信データの不正な改ざんを検知する

🍯 はちみつ屋さんで例えると

店舗のWi-Fiを考えてみましょう。

暗号化

お客様がネットショップにアクセスしたとき、無線区間の通信内容を保護します。

認証

Wi-Fiのパスワードを知っている人や、会社が認めた従業員だけが接続できるようにします。

完全性の保護

通信データが途中で不正に変更されていないか確認します。

このように、無線LANのセキュリティでは暗号化だけでなく、認証や完全性の保護も重要です。


3. 無線LANの暗号化規格

無線LANでは、セキュリティ技術が段階的に改良されてきました。

代表的なものが次の4つです。

  1. WEP
  2. WPA
  3. WPA2
  4. WPA3

まずは全体像を確認しましょう。

規格 主な暗号化技術 特徴
WEP RC4 初期の方式。重大な脆弱性がある
WPA TKIP WEPの問題を改善するための暫定的な方式
WPA2 AES-CCMP 長年広く利用されてきた方式
WPA3 AES-CCMP、GCMPなど 認証や暗号化の安全性をさらに強化

※WPA3では、パーソナルモードとエンタープライズモードで使用する認証・暗号化技術が異なります。


4. WEPとは

4-1. WEPの基本

**WEP(Wired Equivalent Privacy)**とは、初期の無線LANで利用されていたセキュリティ方式です。

名前には、有線LANと同程度のプライバシー保護を目指すという意味があります。

WEPでは、RC4という共通鍵暗号アルゴリズムを利用します。


4-2. RC4とは

**RC4(Rivest Cipher 4)**とは、ストリーム暗号の一種です。

ストリーム暗号は、鍵などから生成した鍵ストリームを使い、データを連続的に暗号化する方式です。

WEPでは、RC4によって無線LANのデータを暗号化します。


4-3. WEPの仕組み

WEPでは、共有鍵と初期化ベクトルを利用して暗号化処理を行います。

**IV(Initialization Vector:初期化ベクトル)**とは、暗号化処理に変化を与えるために使用する値です。

WEPで使用するIVは24ビットです。

         共有鍵
           │
           ├─────────┐
           │         │
           ▼         ▼
       共有鍵       IV
           │         │
           └────┬────┘
                ▼
               RC4
                │
                ▼
           鍵ストリーム
                │
                ▼
           データを暗号化

5. WEPの問題点

5-1. IVが短い

WEPのIVは24ビットです。

24ビットで表現できる値の数は、次のとおりです。

[ 2^{24}=16,777,216 ]

つまり、約1,677万通りです。

無線LANで大量の通信が行われると、IVが再利用される可能性があります。

WEPでは、IVの再利用やRC4の利用方法などに起因する弱点があり、暗号解読につながります。


5-2. 鍵の管理に問題がある

WEPでは、同じ共有鍵を長期間利用する構成が一般的でした。

鍵の更新や管理が適切でない場合、攻撃を受ける危険性が高まります。


5-3. 改ざん検知の仕組みが弱い

WEPでは、データの誤り検出にCRC-32を利用します。

しかし、CRC-32は暗号学的な完全性保護を目的とした仕組みではありません。

そのため、不正な改ざんに対する十分な保護を提供できません。


5-4. WEPは現在使用すべきではない

WEPには重大な脆弱性があるため、現在のネットワークでは使用すべきではありません。

試験でのポイント

WEP=RC4を使用する古い無線LANセキュリティ方式。IVが24ビットであり、安全性に問題がある。

この組み合わせを覚えておきましょう。


6. WPAとは

6-1. WPAの基本

**WPA(Wi-Fi Protected Access)**とは、WEPの脆弱性を改善するために導入された無線LANセキュリティ方式です。

WPAは、WPA2が普及するまでの暫定的な対策として登場しました。

WPAでは、主にTKIPが利用されます。


7. TKIPとは

7-1. TKIPの基本

**TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)**とは、WEPの問題を改善するために開発された暗号化関連の仕組みです。

TKIPは、WEPと同じくRC4を利用します。

ただし、WEPに比べて鍵管理や完全性保護の仕組みが改善されています。


7-2. TKIPの特徴

TKIPでは、主に次の改善が行われました。

  • パケットごとの鍵生成処理の改善
  • 48ビットのシーケンスカウンタの利用
  • メッセージ完全性確認の仕組みの追加
  • 鍵の更新を支援する仕組み

7-3. MICとは

**MIC(Message Integrity Code)**とは、メッセージの完全性を確認するための値です。

TKIPでは、Michaelというメッセージ完全性確認アルゴリズムが利用されます。

これにより、WEPよりも改ざん検知の仕組みが改善されました。

ただし、Michaelには設計上の制約があり、現在の基準では十分な安全性を提供しません。


7-4. TKIPの問題点

TKIPはWEPよりも安全性が改善されましたが、RC4を利用する古い方式です。

現在では、TKIPの使用は推奨されません。

試験でのポイント

WPA=TKIP=RC4

この関係は重要です。

ただし、WPAという規格とTKIPという暗号化関連技術は、厳密には同じものではありません。


8. WPA2とは

8-1. WPA2の基本

**WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)**とは、IEEE 802.11iに基づく無線LANセキュリティ方式です。

WPA2では、主にAES-CCMPが利用されます。

WEPやWPA/TKIPと比較して、安全性が大きく向上しました。


9. AESとは

9-1. AESの基本

**AES(Advanced Encryption Standard)**とは、代表的な共通鍵暗号アルゴリズムです。

前回の「暗号化」の記事でも登場しました。

AESでは、次の鍵長を利用できます。

方式 鍵長
AES-128 128ビット
AES-192 192ビット
AES-256 256ビット

AESは、128ビットのブロック単位で暗号化を行うブロック暗号です。


10. CCMPとは

10-1. CCMPの基本

**CCMP(Counter Mode with CBC-MAC Protocol)**とは、AESを利用して無線LANの通信を保護する方式です。

CCMPでは、主に次の2つを実現します。

  • データの暗号化
  • データの完全性・真正性の確認

10-2. CTRモード

CTR(Counter)モードとは、ブロック暗号を使って鍵ストリームを生成し、データを暗号化する利用モードです。

CCMPでは、AESのCTRモードを暗号化に利用します。


10-3. CBC-MAC

**CBC-MAC(Cipher Block Chaining Message Authentication Code)**とは、ブロック暗号を利用してメッセージ認証コードを生成する方式です。

CCMPでは、データの完全性や真正性を確認するために利用します。


10-4. CCMPの仕組み

          無線LANのデータ
                 │
        ┌────────┴────────┐
        │                 │
        ▼                 ▼
    AES-CTR           CBC-MAC
        │                 │
        ▼                 ▼
     暗号化           完全性の確認
        │                 │
        └────────┬────────┘
                 ▼
           保護された通信

試験でのポイント

WPA2=AES-CCMP

AESは暗号アルゴリズム、CCMPはAESを利用した通信保護の仕組みです。

この違いを理解しておきましょう。


11. WEP・WPA・WPA2の比較

ここまでの内容を整理します。

項目 WEP WPA WPA2
主な暗号化技術 RC4 TKIP AES-CCMP
暗号アルゴリズム RC4 RC4 AES
完全性保護 CRC-32 Michael MICなど CBC-MAC
安全性 低い 現在は不十分 適切な設定で高い
現在の利用 非推奨 非推奨 利用可能

覚え方

WEP
 │
 │ RC4
 ▼
脆弱性が多い
 │
 ▼
WPA
 │
 │ TKIPで改善
 ▼
安全性を強化
 │
 ▼
WPA2
 │
 │ AES-CCMP
 ▼
さらに安全性を強化

12. パーソナルモードとエンタープライズモード

ここからは、無線LANの認証方式について学びます。

WPAやWPA2には、主に次の2つの運用モードがあります。

  1. パーソナルモード
  2. エンタープライズモード

両者の大きな違いは、利用者や端末をどのように認証するかです。


13. パーソナルモードとは

13-1. パーソナルモードの基本

**パーソナルモード(Personal Mode)**とは、家庭や小規模なネットワークで利用されることが多い認証方式です。

WPA/WPA2-Personalでは、事前に共有した秘密情報を利用します。

この方式をPSK(Pre-Shared Key)方式と呼びます。


13-2. PSKとは

**PSK(Pre-Shared Key)**とは、事前に共有した鍵を利用する方式です。

家庭用Wi-Fiでは、一般的にWi-Fiパスワードを入力して接続します。

      Wi-Fiルーター
           │
           │ 共有パスワード
           │
     ┌─────┴─────┐
     │           │
     ▼           ▼
  パソコン    スマートフォン

     同じパスワードを利用

厳密には、WPA2-Personalではパスフレーズなどから暗号鍵の生成に必要な情報を導出します。

入力した文字列そのものを、通信データの暗号鍵として直接使用するわけではありません。


13-3. パーソナルモードのメリット

  • 構築が比較的簡単
  • 認証サーバーを用意する必要がない
  • 家庭や小規模オフィスで利用しやすい

13-4. パーソナルモードのデメリット

  • 複数人で同じパスワードを共有することが多い
  • パスワードが漏えいすると不正接続される危険がある
  • 利用者ごとの接続権限を管理しにくい
  • 利用者が退職した場合などにパスワード変更が必要になることがある

13-5. はちみつ屋さんで例えると

はちみつ屋さんには、従業員が3人います。

店舗のWi-Fiパスワードを全員に共有しているとします。

店舗Wi-Fi
パスワード:********

店長      → 接続可能
従業員A   → 接続可能
従業員B   → 接続可能

この構成は簡単ですが、従業員が退職した場合に問題が生じます。

退職した従業員がパスワードを覚えていれば、店舗の近くからWi-Fiに接続できる可能性があるためです。

そのため、パスワードの変更と再配布が必要になることがあります。


14. エンタープライズモードとは

14-1. エンタープライズモードの基本

**エンタープライズモード(Enterprise Mode)**とは、企業や学校などで利用されることが多い認証方式です。

WPA/WPA2-Enterpriseでは、一般に次の技術を組み合わせます。

  • IEEE 802.1X
  • EAP
  • RADIUS

利用者や端末ごとに認証情報を管理できる点が特徴です。


15. IEEE 802.1Xとは

15-1. IEEE 802.1Xの基本

IEEE 802.1Xとは、ネットワークへのアクセスを制御するための認証の仕組みです。

無線LANだけでなく、有線LANでも利用されます。

IEEE 802.1Xでは、主に3つの役割が登場します。

役割 説明
Supplicant 認証を受ける端末
Authenticator 認証を仲介する機器
Authentication Server 認証を行うサーバー

15-2. Supplicant

**Supplicant(サプリカント)**とは、ネットワークへの接続を要求する端末や、その端末上の認証ソフトウェアです。

例えば、従業員が使用するパソコンです。


15-3. Authenticator

**Authenticator(オーセンティケータ)**とは、認証を仲介する機器です。

無線LANでは、アクセスポイントがこの役割を担います。


15-4. Authentication Server

**Authentication Server(認証サーバー)**とは、認証情報を確認するサーバーです。

企業ネットワークでは、RADIUSサーバーなどが利用されます。


16. IEEE 802.1Xの認証の流れ

【利用者端末】
  Supplicant
      │
      │ ① 接続要求
      ▼
【アクセスポイント】
  Authenticator
      │
      │ ② 認証情報を中継
      ▼
【認証サーバー】
 Authentication Server
      │
      │ ③ 認証結果を返す
      ▼
【アクセスポイント】
      │
      │ ④ 接続を許可
      ▼
【利用者端末】

手順1:接続要求

利用者の端末がアクセスポイントへ接続を要求します。

手順2:認証情報の交換

アクセスポイントが、端末と認証サーバーの間で認証情報を中継します。

手順3:認証サーバーが確認

認証サーバーが、利用者や端末の認証情報を確認します。

手順4:接続を許可

認証に成功すると、アクセスポイントがネットワークへのアクセスを許可します。

※実際には、EAPメッセージの交換や暗号鍵の確立など、複数の処理が行われます。


17. EAPとは

17-1. EAPの基本

**EAP(Extensible Authentication Protocol)**とは、さまざまな認証方式を利用できるようにする認証の枠組みです。

EAP自体が単一の認証アルゴリズムというわけではありません。

EAPには、複数の認証方式があります。


17-2. 代表的なEAP方式

方式 特徴
EAP-TLS デジタル証明書を利用した相互認証
PEAP TLSトンネル内で認証情報を交換する方式
EAP-TTLS TLSトンネルを利用する認証方式

17-3. EAP-TLS

**EAP-TLS(EAP-Transport Layer Security)**とは、デジタル証明書を利用する認証方式です。

一般的に、クライアント証明書とサーバー証明書を利用して相互認証を行います。

企業ネットワークでは、強固な認証を実現する方法として利用されています。


18. RADIUSとは

18-1. RADIUSの基本

**RADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)**とは、ネットワークへのアクセスを管理するためのプロトコルです。

主に次の3つの機能を提供します。

  • Authentication:認証
  • Authorization:認可
  • Accounting:利用記録

この3つをまとめてAAAと呼びます。


18-2. AAAとは

機能 意味
Authentication 本人確認
Authorization アクセス権限の決定
Accounting 利用状況の記録

🍯 はちみつ屋さんで例えると

Authentication

本当に従業員なのか確認します。

Authorization

従業員が利用できるネットワークを決定します。

Accounting

いつ誰がネットワークを利用したのか記録します。


19. パーソナルモードとエンタープライズモードの比較

項目 パーソナルモード エンタープライズモード
主な利用場所 家庭・小規模オフィス 企業・学校
主な認証方式 PSK IEEE 802.1X/EAP
認証サーバー 通常不要 一般に必要
利用者ごとの管理 難しい 行いやすい
構築の難易度 比較的簡単 比較的複雑
利用者の追加・削除 共有パスワード管理が中心 個別の認証情報で管理可能

試験でのポイント

Personal=PSK

Enterprise=IEEE 802.1X+EAP+RADIUS

この組み合わせを覚えましょう。


20. WPA2-PersonalとWPA2-Enterprise

同じWPA2でも、認証方式によって構成が異なります。

20-1. WPA2-Personal

      Wi-Fiルーター
           │
           │ PSK
           ▼
      利用者の端末

共有パスワードを利用して接続します。


20-2. WPA2-Enterprise

      利用者の端末
           │
           │ IEEE 802.1X
           ▼
     アクセスポイント
           │
           │ RADIUS
           ▼
       認証サーバー

認証サーバーによって、利用者や端末を認証します。


21. WPA3とは

ここまでWEP・WPA・WPA2を中心に学びました。

最後に、後継規格であるWPA3も確認しておきましょう。

21-1. WPA3の基本

**WPA3(Wi-Fi Protected Access 3)**とは、WPA2の後継となる無線LANセキュリティ規格です。

WPA3では、認証や暗号化の安全性がさらに強化されています。


21-2. WPA3-Personal

WPA3-Personalでは、**SAE(Simultaneous Authentication of Equals)**を利用します。

SAEは、パスワードを使った認証と鍵確立の仕組みです。

WPA2-PersonalのPSK方式と比較して、取得した認証通信に対するオフライン辞書攻撃への耐性が向上しています。


21-3. WPA3-Enterprise

WPA3-Enterpriseでは、IEEE 802.1X/EAPを利用する企業向けの認証構成が引き続き利用されます。

また、より強い暗号技術を使用する192ビットセキュリティモードも用意されています。


22. 無線LANのセキュリティで注意すること

22-1. SSIDを隠しても安全とは限らない

SSIDを非公開にする設定は、一般にSSIDステルスなどと呼ばれます。

しかし、SSIDを隠しても、無線LANの通信を解析することでネットワークを識別できる場合があります。

そのため、SSIDを隠すことだけでは十分なセキュリティ対策になりません。


22-2. MACアドレスフィルタリングだけでは不十分

MACアドレスフィルタリングとは、接続を許可する端末のMACアドレスを登録して制限する仕組みです。

ただし、MACアドレスは偽装できるため、強固な認証手段にはなりません。


22-3. 強いパスワードを使用する

WPA2-Personalなどでは、推測されにくい十分に長いパスワードを設定することが重要です。


22-4. 古い暗号方式を無効化する

WEPやWPA/TKIPなどの古い方式は使用せず、対応機器ではWPA3、または適切に設定されたWPA2を利用します。


23. 応用情報技術者試験の重要ポイント

用語 覚えるポイント
WEP RC4を使用する古い方式
RC4 ストリーム暗号
IV 初期化ベクトル
WPA WEPの問題を改善するための方式
TKIP RC4を利用する改良方式
MIC メッセージ完全性確認コード
WPA2 IEEE 802.11iに基づく方式
AES 共通鍵暗号アルゴリズム
CCMP AESを利用した暗号化・完全性保護
PSK 事前共有鍵
Personal 共有パスワードなどを利用
Enterprise 認証サーバーを利用
IEEE 802.1X ネットワークアクセス認証
EAP 認証方式を拡張できる枠組み
RADIUS AAAを提供するプロトコル
WPA3 WPA2の後継規格
SAE WPA3-Personalの認証・鍵確立方式

24. 練習問題

問題1:WEP

WEPで使用される暗号アルゴリズムはどれでしょうか。

A. AES
B. RSA
C. RC4
D. SHA-256

解答

正解:C

WEPではRC4が使用されます。


問題2:WPA

WPAで主に利用される暗号化関連技術はどれでしょうか。

A. TKIP
B. RSA
C. SHA-3
D. ECDSA

解答

正解:A

WPAでは、主にTKIPが利用されます。


問題3:WPA2

WPA2で主に利用される暗号化・完全性保護の仕組みはどれでしょうか。

A. RC4
B. AES-CCMP
C. DES
D. MD5

解答

正解:B

WPA2では、AES-CCMPが主に利用されます。


問題4:パーソナルモード

WPA2-Personalで利用される認証方式はどれでしょうか。

A. PSK
B. RADIUSのみ
C. Kerberosのみ
D. デジタル署名のみ

解答

正解:A

WPA2-Personalでは、PSK方式が利用されます。


問題5:エンタープライズモード

WPA2-Enterpriseで利用される認証の仕組みとして、最も適切なものはどれでしょうか。

A. IEEE 802.1X
B. NAT
C. DHCP
D. ARP

解答

正解:A

WPA2-Enterpriseでは、IEEE 802.1X/EAPを利用した認証が行われます。


問題6:IEEE 802.1X

IEEE 802.1Xにおいて、無線アクセスポイントが担うことが多い役割はどれでしょうか。

A. Supplicant
B. Authenticator
C. DNS Server
D. DHCP Client

解答

正解:B

無線アクセスポイントは、一般にAuthenticatorとして認証を仲介します。


問題7:RADIUS

RADIUSが提供するAAAに含まれないものはどれでしょうか。

A. Authentication
B. Authorization
C. Accounting
D. Encryption

解答

正解:D

AAAは、認証・認可・利用記録を表します。


問題8:WPA3

WPA3-Personalで利用される認証・鍵確立方式はどれでしょうか。

A. WEP
B. TKIP
C. SAE
D. PAP

解答

正解:C

WPA3-PersonalではSAEを利用します。


まとめ

今回は、無線LANの暗号化と認証方式について学びました。

特に重要なのは、次のポイントです。

  1. WEP:RC4を使用する古い方式で、重大な脆弱性がある
  2. WPA:TKIPによってWEPの問題を改善した方式
  3. WPA2:AES-CCMPを利用する、より安全な方式
  4. パーソナルモード:PSKなどを利用する家庭向けの構成
  5. エンタープライズモード:IEEE 802.1X/EAPによる企業向けの認証構成
  6. RADIUS:認証・認可・利用記録を提供するプロトコル
  7. WPA3:SAEなどを採用した新しい無線LANセキュリティ規格

🍯 はちみつメモ

無線LANのセキュリティは「電波で送る情報を守り、許可された人だけが接続できるようにする仕組み」!

はちみつ屋さんのWi-Fiで考えると、

WEP

→ 昔の鍵。簡単に破られる危険がある。

WPA

→ 昔の鍵を改良したもの。ただし、今では十分に安全とはいえない。

WPA2

→ AES-CCMPを利用する、より安全な仕組み。

パーソナルモード

→ お店の従業員みんなで、同じWi-Fiパスワードを共有する方法。

エンタープライズモード

→ 従業員ごとに認証を行い、接続を管理する方法。

応用情報技術者試験では、**「WEP=RC4」「WPA=TKIP」「WPA2=AES-CCMP」「Personal=PSK」「Enterprise=IEEE 802.1X」**をセットで覚えておこう!